2009.5. 新型Audi A4試乗


今回の試乗はAudiA4の主力モデル(2.0 TFSI クワトロ_4WD_RHD(AT_2.0))です。 
はっきり言って思いました。「やられた!」 このクルマは全てにおいてCクラスや3シリーズを軽く超えています。

車両スペック
まず、いつものスペックから。 
車両価格495万円 1680kg 2000cc turbo, 211ps 35.7kgm 


試乗車はS-line packageが入っていました。 車高も低くなり、乗り味も堅くスポーティな設定です。


動力性能 

エンジンは4気筒2000ccターボ、と聞いて、「TTと同じですか?」「違います」と。
つい先日TTを乗ったばかりで、TTよりも200kg重いA4はその分遅くなっていると予想していました。 
いつものように、信号から1速2速全開にしてみます。
この加速感は、明らかに200kgのハンデを考えると、TTのエンジンより速いです。
エンジン特性はフラットトルクでどんどん車速も伸びていきます。非常に気持ちの良いエンジンです。

意地悪く低速でシフトアップしてから、低回転域からの中間加速を見てみました。
Z4 23iあたりが低回転からの再加速が非常に遅かったのに比べて、このA4のエンジンは、低回転域からでも一気に加速します。

通常、2ペダルMTですと、Dモードでアクセルを踏むと一気に2速にシフトダウンします。
逆に、4速、5速固定で、2000回転あたりからの再加速は苦手なエンジンが多いのですが、
このA4はどの回転域からでも踏んだ分だけ加速します。
これはスペックの数値にはあらわれませんが、明らかに乗っていて「スポーツ」を感じさせ、速いと思わせます。
TTのエンジンにここまでのレスポンスとトルクの厚さは無かったので、別物なのは本当のようです。


関係ありませんが、パーキングブレーキは電子式です。
Dモードに入れてブレーキ解除してアクセルを踏むと、自動的にパーキングブレーキも解除されて走り出します。
これは便利なのですが、安全性からはいかがでしょうか?
発進手順を複雑化することで、不用意な発進を防げると思いますが、
シフトレバーをNからDに倒してアクセル踏むだけで走り出す、というのは少し怖い気もしました。

ミッション

ミッションはデュアルクラッチの7速2ペダルMTです。シフトは右アップの左ダウンのパドル式です。
普通にクリープしますし、トルコンと言われても分からない方もいるでしょう。レブ(6500回転)にあたると自動的にシフトアップします。
このミッションは良くできていて、フラットトルクでトルクフルかつレスポンスの良いエンジンとの相性がばっちりです。

足回り 

S-Lineでは18インチです。


扁平率40ですが低扁平を感じさせません。
足回りはかなり堅いのですが(助手席で分かりました)、急な突き上げみたいなものは一切ありません。
路面のつなぎめなどは一発で収束しますし、非常に良くできている印象です。無意味に固すぎもしません。



ここまで、駆動方式について触れていませんが、僕は試乗の時に4WDと知りませんでした。
試乗中も、あまりに素直にクルマが曲がっていくので、「はたしてこのクルマはFRなのか?FFなのか?」とずっと悩んでいました。
答はクアトロなのですが、さらに駆動配分をダイナミックに割り当てる新採用のシステムのようです。
スピンモードの回避のような駆動割合の配分の変更システムではなく、
通常走行時にも走行状況に応じて0%から100%まで駆動を変えているというものです。
実際、4WD特有の低速時のハンドルの重さも無く、全開加速時には路面をしっかりととらえ、
高速のコーナリングは素直に頭が入っていき、ノーズを振っても軽く反応します。さすがにこのA4はただものではありません。

インテリア

(画像は1800ccモデルです)



インテリアの質感の高さにはいつもながら驚かされるアウディです。しかし、今回のネックはナビでした。
Cクラスベンツ同じでナビはメーカー指定のものがビルトインされて標準装備。
しかし、Cクラス同様、酷いナビで子供のお絵かきみたいなレベルです。
これはプライドを捨てて、サードメーカーのナビを入れるべきでしたね。
このクルマのごくわずかですが大きな欠点です。
内装仕上げは、コストカットの目立つベンツよりは明らかに上で、アウディ特有の緻密なものです。
細かいユーティリティも言うこと無しです。

外装



非常に好みのデザインです。特にS-Lineのエッジの効いたリップやサイドステップでは、社外エアロは全く不要という感じすら受けました。


こちらが1800ccモデルです。



残念ながら、アウディの売りのLEDヘッドライトはデイライトではなく、スモール採用になってしまいました。


さすがにこのタイプのデイライト(日本仕様ではスモール)は明るいですね。


良くできているのは、ドアミラーのウィンカーが不均等間隔で高級感を演出しつつ、


運転席側からも確認できるという点です。

なお、HID、車速感応ステアリングは標準装備ですが、このクラスではもはや当たり前ですね。


ユーティリティに関しても特に問題ありません。トランクは十分広いです。

0-100kmなどは分かりませんが、明らかにこのクルマは、C250(590万円)よりもよく走りますし、
325i(538万円 1510kg)よりも軽快感があります。

700万円のC300や335iと同じくらいの(0-100kmは劣るかもしれませんが)「スポーティさ」が、495万円のA4にはあります。
電子デバイスも余計な邪魔をしませんし、2ペダルとエンジンの組み合わせは言うことはありません。

このクルマを出されて、BMWやベンツは辛いものがあると思います。あまりにも全てが高いレベルで完成されており、
演出された「スポーツ」ではなく、自然な「スポーツ」性能がありました。
僕にとっては新型Z4よりもはるかにスポーティです。

このセグメントの価格帯が、無意味に高騰していましたが、この内容で495万円という適正価格で出してきたアウディに好感を覚えます。
是非、売れて欲しいクルマです。

おまけ

ちなみによりハイパワーなエンジンを、という方にはS4という選択肢も。しかし333馬力で785万円は安いのか高いのか。
アウディのS/RSシリーズはどうしても割高なイメージがあります。


S5はツードアフェチの僕にはたまらないクルマ。しかし、4200cc354馬力で875万円はちょっと厳しいですね。


極上の最終形のRS4の認定中古車がありました。


やはりマニュアルでしょう!一度乗ってみたいモデルです。

アウディはヨーロッパではMTで展開していますので、是非、日本にもMTモデルを入れて欲しいなぁ、と願います。


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