19インチタイヤインプレッション 純正17インチと比較して
〜インチアップに関して思うこと〜


Advan RS 19インチ                   ケイマン純正17インチ

19インチ AdvanRS                         17インチ純正サイズ
Front 8.5J, 235-35-19, +52              Front 6.5J, 205-55-17 +55
Rear 10J, 265-35-19, +40                Rear 8J, 235-50-17, +40
ミシュランのPilot Sport2                コンチネンタルのスポーツコンタクト2

こだわりでどちらもN指定のタイヤです。N指定とはご存じと思いますが、ポルシェが純正装着認定した
タイヤ銘柄、かつサイズ、に対して発給されます。細かく言うとN0,N1などあるようですが、要するに、
ポルシェがテストして、300km出しても大丈夫、というお墨付のタイヤなので、サイドウォールの剛性などに、
一定の保証があるという感じです。必ずしもN指定でなくても同等かそれ以上のスペックのタイヤも
たくさんあると思いますが、僕は、ポルシェフリークなのでN指定にしてみました。


さて、
せっかく、履き替えたので、インチアップに伴う走行性能など、インプレッションしてみます。


まず大前提として、今回履いたAdvanRacingRS for Porscheというホイールは鍛造ではないものの、
鍛造に匹敵する軽量ワンピースホイールです。19インチでも重さは8kg台と非常に優れものです。
実際に手で持って、このホイールの軽さに驚き、惚れ込んだので買ったという感じです。
(鍛造と言わないのは、製造工程でかけている圧がやや他の鍛造より低めのためとのことです。)

1.外観について


Advan RS 19インチ                   ケイマン純正17インチ

完全に19インチはツライチにしてしまいました。17インチと比べても差は歴然ですね。
よっぽど純正派でない限り、見た目はやはり19インチ!、ですね。

2.タイヤのグリップ(縦方向)について


結論。純正の勝ち。


トラクションコントロール、ノンスリップ、などのセーフティがかかっていると評価出来ませんので。PSMはオフにします。
直線加速ですが、静止状態からパワーバンドで一気にクラッチつないで全開にすると、(よい子はやってはいけません♪)
17インチではタイヤがよれて若干滑りながらもなんとかグリップし始めます。なかなかスポーツコンタクト、やりますね。
一方、19インチ。4000rpmでパワーバンドでがつんとつなぐと、トルクの山(4000rpmぐらいから)で路面をとらえきれません。
踏み続けると、タイヤが空転して、レブに当たりそうになります。

純正17インチではガツガツガツとスベリながらも、なんとか路面を捉えて、発進します。
一方、19インチではガガガガとひたすら滑って、いつまでも発進せず、ゴムが焼けるだけ。
(駆動系の負担がかかるのであまりやらない方が良いと思います)

3.タイヤのグリップ(横方向)について


では全然この19インチだめなんでしょうか?次はコーナリング性能。
純正17インチで1速で0kmから全開加速しながらタイトコーナーを曲がっていくとします。
17インチでもスキール音がしながら、なんとかタイヤが耐えてくれます。
一方、19インチでははっきりテールが出ます。まあ、これはこれで楽しいのですが。
PSMオンでやると、テールがそれなりに出たあたりで出力を微妙にカットしてくれるので、
わざわざテールだして楽しみたい方にはいいかも知れません

4.乗り心地について

街乗り派の僕にとっては見逃せない点です。
まず、僕のケイマンはPASM無し。そして、前提としてケイマンはSと素では純正サスペンションが違います。
Sの方が重い18インチホールを想定したセッティングになっています。ここはさすがポルシェ!
では、PASM無しの素のケイマンに19インチを履いて大丈夫なのでしょうか。

結論は意外や意外、全く大丈夫!
おそらくホイール重量が規定する部分が大きいのですが、段差を超えたときのおかしな突き上げ感、
ホイールの重さによる足下のばたつき、特に、ホイールがばたついたあとに集束するまでの時間も
悪くありません。元々、PASM無しの足は硬いので、クルマに詳しくない人であれば、助手席では気づかないでしょう。

但し、リム幅が大幅アップしていますので、ハンドルの重さ自体は重くなります。
しかし、最も大事なケイマンのクイックさ、が、19インチでスポイルされるという感じはありませんでした。
今後はおそらくビルシュタインあたりを入れてしまうでしょうが(いつになることやら)、純正サスでも、
十分、19インチはいけます。ただし、軽量ホイールに限りますが。

5.ポルシェに対して思うこと


これはよくご存じ、ポルシェセンターにおいてあるホイールの見本です。

ポルシェでは営業時に「走りがいいですよ!」とか言って、オプションで19インチを積極的に薦めてきます。
(僕は薦められませんでしたが)。購入後もポルシェ用品として売れて利益率が高いので同様に。
「見た目がいいですよ!」と言って売るのならまだしも、ポルシェたるメーカーが「走りが」と言ってしまうのはどうかと思います。
走りは17、18インチが良いに決まってますから。インチアップというのは幻想に過ぎません。
しかもターボホイール以外の19インチデザインホイールは鋳造です。めちゃ重いです。こんなのポルシェが売っちゃいけません!

19インチターボホイールは、鍛造で格好はいいですが、本当にそれだけです。
素のケイマンは17インチ、ケイマンSは18インチを想定して足回りが完全に設計されています。
そこに、(ドレスアップの目的ならともかく)走りを想定して19インチを入れる意味があるのでしょうか?

僕の経験ですが、18インチ用に設計されたRRのカレラSでも同様の事がありました。
本来トラクションのかかりやすいRRですが、18インチのカレラSが全開加速に付いてきたのに対して、
19インチ(デザインホイール)は何度も空転してPSMが介入してきました。
ただ、絶妙なのはPSMを付けるとユーザーにほとんど気づかない程度に微妙に出力を落とすところです。
つまり、PSMをonにしておけば、ユーザーが気づかない範囲で19インチのグリップ内の出力しか、
ポルシェは出しません(これがまた超自然)。コーナーでも出力を絞りますので心配ありません。他メーカーの露骨なTCSとは大違い。
ユーザーで(特にTIP・PDKの方は)電子制御に気づいていない方も多いんじゃないかと思います。
本当かな?と思われる方は、PSMを切って床まで踏んで信号ダッシュしてみればすぐに分かります。

では、19インチは無意味なのか?僕は足回りの専門家ではないので答えは出せません。
ただ、911を今まで純正18インチで売っていたポルシェはえらいなぁ、と前から思っていたのですが、
最近のマイナーチェンジで全て19インチになってしまいました。ここまで大径ホイールが高級車で常識になっているので、
ポルシェも準じざるを得なかったのでしょう。
ターボなんて400馬力で超扁平19インチですが、あのホイールでまともに走るんでしょうか。
そのまま無茶な運転で走ったら、おそらく電子制御でカットしまくりな気がします。
GT2やGT3も、インチダウンしたTE37あたりに履き替えないと、あの扁平ホイールではパワーバンドで
ガツンとつなぐような乱暴な運転では簡単にグリップを失うと思います。
しかし、時代のスーパースポーツは全て扁平タイヤ履いています。大きな謎です。
まあ、丁寧な運転(絶対的には高スピードでも)では、問題ないのかも知れませんが。

ここまでの話は、普通に飛ばして走る分には関係ない話です。
パワーバンドでつなぐなんてバカな事は普通はしないでしょうし。

6.まとめ

というわけで走りに関しては19インチはだめだめでした。サーキットで19インチは無意味ですね。
ブレーキとの干渉が許せば、18か17インチにインチダウンした方がタイムは出るでしょう。
しかし、限界域でなければ、普通の直線加速、一定速度での走行、街乗り、全く問題ありません。

僕のようなドレスアップ中心で、時々、走ってみたい、という人には軽量19インチは一つの選択枝かも知れません。
でも、鋳造3ピースのような重いホイールは絶対おすすめしません。オフセットの関係で、ポルシェは大して深リムにも
なりませんし、せっかくのケイマンのクイックな回頭性、安定したコーナリング性能が失われて、
峠で全開には怖くて出来なくなると思います。

また、足回りへの入力が大きくなって破損する可能性もあるかも知れません。
あくまでもドレスアップは自己責任の範囲で、ということですね。
走りに関してはポルシェという一流メーカーを、ホイール交換ぐらいで一人のユーザーが超えることは不可能だと思います。

ここまで色々書きましたが、あくまでも、私という素人個人の私見ですので、
「こんなこと言う人もいるのか」ぐらいに心にとどめておいて貰えれば幸いです。
いくつか否定的な事も書きましたが、それによってお気を悪くされた方がいらしたとすれば、深くお詫び致します。



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