Mitsubishi Lancer Evolution X (premium) 6-SST (2008.11.)\5,050,500 試乗体験記


外装・内装
こんどはランエボXです。このインパクトの強い(場合によっては強すぎる?)外装については、
個々の好みですから敢えて評価は致しません。あくまでも試乗がメインですので。

ちなみに、これは、Premium Versionといって、100万円ほど上乗せしてBBSやら、
ビルシュタインやらロックフォードやらのオーディオをいれたバージョンです。
おそらく、SUBARUがSTIの高級化を進めているのに対抗しているんですね。
スポーツカーを買う世代が高齢化しているので、スポーツカーもどんどんプレミアム路線です。

しかし、これまた突っ込み処満載で、  
 ・ビルシュタインって車高調じゃないから壮大な無駄 
 ・BBSってみんな同じBBSで満足できないでしょ 
 ・ロックフォードって、ウーファーがプラスチックでどんな音? 
 ・それに伴ってついてくるNAVIがめちゃダサい。交換不可。

というわけで、えらく高いこのバージョンではなく、普通のVersionに革張りシートだけオーダーするのが賢いと思いました。
メーカーはどうしてこういうことが分からないんでしょうかね・・・。

動力性能
気を取り直してRecaroのホールドの良いシートに身を収めます。
無理を言って試乗コースを外れて高速道路まで試乗しに行きました。
スポーツカーは首都高や第三京浜で性能を試す物です。
ディーラーの周りを一周しても何も分かりませんので、僕は営業と交渉して、高速道路やワインディングまで試乗しに出かけます。
もちろん、平日に予約をとって、その旨を伝えておくのですが、まともなメーカーと営業なら、正しく交渉すればOKして貰えます。
ただ、試乗マニアだとばれないようにしないといけませんが・・・。

クルマは5速MTではなく、2ペダルMTの6速SST。パドルシフトとDレンジ、その中間のモードがあります。
そして、パドルシフトにも、最もスポーティなモード(つなぐのは早いがショックがくる)と、マイルドなモードがありますが、
当然試乗スポーティな設定で行いました。

1600kgで300馬力。はたしてその実力はいかに!?

走り出して気づくのがまずぎこちないながらもクリープがわずかにあること。
しかし、このクリープはクラッチに負担をかけるので多用しない方が良いそうです。
そして車幅が1810mmと意外に大きい。ケイマン・M3と一緒で肥大してしまったようです。ライバルのインプレッサよりお大きいですね。
さらに、フルタイム4駆なのでハンドルがきれません。
見切りが今ひとつなので、女性ドライバーに運転させた右前のバンパーをガリッとやる確率は高いでしょう。
かなり取り回しの大変なクルマでした。ここら辺はデフがAUTOでFRになって小回りがきき、ボディも小さいSUBARUの明らかな利点。

空いた道を選んで、1速全開、2速全開、、とさすがに4WDでタイヤがスリップするようすはありません。
思ったほどの加速が得られないのは4WDによるロスと、1600kgの車重のせいでしょうか。
体感的にはSTIや直噴カレラの方が一回り早い気がします。

そして、パドルシフトで色々走らせているとすぐに7000のレブにあててしまいます。
そう、もっとも早いモードにしているにも関わらず、シフトの切り替え時間が長いので、シフト操作と回転数が釣り合わないんですね。
気持ちはやめの操作が必要とされます。加速も減速も。これに「慣れる」ことは出来ますが、はたしてそれって楽しいのでしょうか?
早めに前方の渋滞を見越してシフトダウンパドルに手を伸ばすのが、スポーティか?なんか違う気がしてきました。

ちなみに、DレンジもNORMAL, Sport, S-SPORTとあり、S-SPORTは全開でレッドでシフトアップダウンです。
結局、S-SPORTがこのクルマではもっとも無駄なく走れます。なんだか2ペダルMTなのに悲しい事実。
シフトダウンの時にこれみよがしにブリッピングしますが、いらないからさっさと回転数合わせろよ!、と高速の合流で思いました。
ブリッピングもやや演出過剰でかえってイラッとすることもあります。そもそも、回転数を一度上げてから落とすときにつなぐのは、
運転のあまり上手でない人のすることとされているような気がしますが・・。時間もロスします。

なお、普通の道をDレンジで走る時にそれなりに滑らかなのは言うまでもありません。しかし、ATほどではありません。

エンジンについて。やや低速にトルクが振ってあるシングルターボ。たしかに常用域で運転はしてあります。そういうクルマなのかなぁ。
今まで、300馬力のカレラ・インプレッサSTIでは、全開加速で、1速2速にすると2速で相当な速度になり恐怖で3速全開は出来ませんでした。
ところが、ランエボだと3速まで全開に出来て、到達速度もそれほどでもない。ギヤ比の問題なのかも知れませんが、
爆発的な高回転域での出力が無いため、「早い!」という印象は受けませんでした。
僕は信号やETCダッシュが好きなので、これぐらいだと、今ひとつだなぁ、というのが本音です。
ただし、直進安定性は言うことがありません。曲げるのにかなり手応えのあるハンドルを切り込む必要があり、
全くクイックという印象はありませんでした。この程度の出力で4WDにする必要がある場面ってなんでしょう?
雪道?今時完全除雪でスタッドレスで行きますし、車高が低いと非圧雪路はどうにもなりません。
ラリー車ベースは分かりますが、日本でどうしたらいいのか、解釈できたのがSUBARU、不完全なのが三菱、という印象です。

ネガばかり書いてしまいました。ランエボが作りたいクルマ像みたいなものが見えてこなかったのが最大のネガです。SSTにしたのは女性を取り込むため?
女性を取り込むのであれば、あのデザインはネガですし、4WDの配分も適時変えてハンドルを軽くすべきです。
回転半径ももう少し小さく、ボディも女性には大きすぎます。マーケティングが見えないなぁ、と。

ここまで書いてきて、秋葉原にくる客層には好まれると思いました。安いモデルから売れるかも知れませんね。
typeRやランエボにステッカー仕様は彼らのお得意なところですので。

というわけで、辛い評価になったランエボXです。
中古市場でもそれなりの値段がついているみたいです。プレミアムは350万円、ノーマルで300万円前後なので、評価は高いようです。
僕としては、SSTの見直しと、4WDのネガの改善を求めたいと思います。


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