emergent call record
事件記録簿 / Jichi Med Univ(JAPAN)
ドイツ高速道路でドア脱落
現場 ドイツ郊外 アウトバーン 速度無制限から130kmへの切りかえ区間。片側2車線。
時間 2018年 15:00
・発見
僕はよくドイツに長期出張し、長距離移動も行っていた。
2週間ぐらいレンタカーをかりて、毎日500kmとか移動していた。
高速道路(アウトバーン)の速度無制限エリアでは、多くの車が140kmくらいの速度を維持しており、
運転技術がかなり要求される。世界一、motorizationが進んでいる国だからこそ、
ある日、ドイツ郊外から市街にむかうところで、
速度無制限から130km制限にきりかわった。片側2車線でみひたすら直線が続いてる。
ガラガラだったところで、急な渋滞を前方に発見。
長いブレーキ痕や、黒くゴムなどがこすれたあとの先には、
横転したGolf(volkswagen)。驚いたのは、運転席側のドアがとれて転がっている。
何かできることはあるか、と思って、自分の車をその先に止める。
ところが、、どこにも、ドライバーがいない。。シーンと静まり返っている。
そう、車外放出されたドライバーは後続車両に何度もひかれて、
文字通り跡形もなく砕かれていた。
・・・。
僕は自分が何もできないことがすぐにわかり、
なんとも言えない気持ちで、現場を立ち去るだけだった。
レンタカーのために、非常停止などの用品を使うこともできなかったし、
僕のあとに車を止める人がいて、事故処理を始めてくれてた。
・安全基準とは

衝突安全テストでは、かなりいい結果をGolfは残している。
それでも、200kmみたいなスピードで横転等がはじまれば、
運動エネルギーは大きく、ドアがはずれたり、モノコック構造も破壊されるだろう。
車外放出されたドライバーの致死率は非常に高いことが知られている。まさにそういったケース。
こういうのは考え方なんだと思う。
ドイツで長期滞在していると、ドイツ人は、個人の権利・義務意識が非常に高く、
最大の注意を払いつつ、最後は自己責任で物事を進めていることが多いと思った。
アウトバーンで200km出しても、市街地にはいれば(誰もいなくても)30kmに速度を落とす。
落とさなければ、すぐ先に撮影装置があり、自動的に罰金通知もくる。
路上駐車するときには、タイヤを歩道に乗り上げるか・乗り上げないか、が
決まっていて、まちがえてるとすぐに切符を切られる。だあーれも通らないような田舎道でも。
合理性とは関係ないルールもたくさんある。そういう不思議な国。
それでも、スピードを出して広いドイツを移動することは権利なのだろう。
僕は規制・厳罰主義大嫌いなので、彼らも速度制限すべき、みたいには思わない。
ただ、事実としては、200kmで事故るとかなりの確率で即死する。
湾岸最高速という違法走行していたひとがよくいっていたが、
300kmで事故って、生還したひとはゼロだと。まあ、それも人生なんだろう。

僕は富士スピードウェイの走行枠をよくポルシェ987で走っていた。
第一コーナー前では230kmくらい簡単にでる高速コース。
有名な話だが、富士スピードウェイでは、週末によく人が死んでる。
お金を持て余したオジサンがポルシェやフェラーリで第一コーナーに
刺さって死ぬパターンが本当にたくさん。
F1も多数の人が死んでるし、MotoGPなんてもっとひどい。
でも、ガンで半分の人が死ぬし、そんなものだと思う。こういうのは価値観だし、
押し付けあってもしょうがないと思う。