emergent call record
事件記録簿 / Jichi Med Univ(JAPAN)
物損での加害者逃走
現場 国道4号線ぞいコンビニ駐車場
時間 2015年 8:00
朝ラッシュ時、小さな用事があってコンビニに入庫した。
交通量の多いバイパス沿いの交差点にあり、駐車場は大きくトラックも入庫可能なぐらい。
僕が入庫したあと、右折&そのあとすぐに左入庫しようとするトラックがみえた。
トラックはUNICといわれる荷積み用のクレーンがついてるタイプ。
ところが、通常格納するアームが70度くらいの角度で上がりっぱなしになってる。
運転手はきづいてないのか、そのまま入庫を試みた。
その結果、電線架線をアームがひっぱり、一部の電線架線は火花をあげて切れた。
さらに、架線がひっぱったせいで信号機の一つが曲がってしまった。
運転手は異音に気づき、トラックから降りて現状を確認した。
トラックは社名がかかれた社有車、僕はナンバーをその場で記憶した。
コンビニによくある防犯カメラが駐車場にも設置されていた。
動転したのか運転手はそのままアームを下げて、現場から逃走してしまった。
はい、僕はすぐにナンバーコミで通報し、社名も告げた。
さらに、コンビニの店主に事情を伝えて、一定の安全確保も手伝ってもらった。
切れた架線にふれないように、ポールをたてて他の車両が入庫できないようにした。
この件は、あとで通報した警察署から、結末について電話があって教えてくれた。
どうなったか予想してほしい。
予想。
予想。。
予想。。。
こたえ
僕の通報からすこしあとに、別の目撃者も同様の通報をした。
また、トラックの会社社長はすぐに運転手に電話をしたが、運転手は電話をとらなかった。
こわくなって逃げたのだろう。
しかし、彼ら(建設業?)のネットワークは非常に強く、地元ですぐに居場所がばれて、
同僚が説得し、加害者は警察に社長といくことになったとのこと。
これは、犯罪が認知されてからなので、「出頭」ではなく減刑にもならない。
一般的な対物保険は、確信された当て逃げに対して、加害者側には免責だ。
この場合、すべての被害弁済は加害者(と場合によっては会社)にいく。
いくらの弁済だろうか。
こわれてれたのは高機能なLEDの信号機だ。コントローラなど、敷設費用もいれると百万円ではすまないだろう。
架線の復旧とか、電力会社への弁済、停電などへの弁済もある。
全部あわせて、1000万円近いかもしれない。
刑事事件として扱われるかどうかは、わからないが、いずれにしても、すべての
「心証」がわるくなり、ペナルティは重くなる。
逃げなければ?.過失はあるとされるにせよ、全く対応は違ったろう。
この日本で、人をひき殺して逃げると、99%捕まえる。
まともに捜査されると、驚くほど短時間で検挙される。
加害車両は傷がのこるし、修理パーツの手配で、簡単に足がつく。
塗膜やタイヤのかけらでもあれば、質量分析にかければ、該当メーカーや
ロットが全部ばれて車両はすぐに絞り込まれる。
ほとんどの車にカメラがついてるし、信号機も店舗もカメラだらけ。
逃げればNシステムにひっかかる。つまり、人身事故は逃げると「損する」んだ。
ひき殺して、逃げないとどうなるのだろう?
前科前歴がなければ死亡事故でも交通刑務所にはいることはまれだろうし、
はいったところで、塀もなく、行動制限も少ないはず。
趣味みたいに犯罪白書を読んでると、あるいは、司法のひとと話して、
本当に感じるのは、ひたすら、「情報や判断が弱いひとが陥るループ」だ。
今回も、まさにそんなもの。トラブルにたいして致命的な間違いを上塗りしてしまう。
また、こういう間違った判断を、自分を棚に上げて笑う文化が日本にはあるとおもう。
たとえば、「特殊詐欺なんてやるやつは馬鹿でクズだ」っていう意見が
やまほどメディアにも、一般の人にもある。そういう「一般」のひとは、
本当に普段こういったリスクもなく、100%遵法して、
そんなに法律も詳しいのだろうか。たぶん、違う。ぼくも違う。
とにかく、後味の悪い通報だった。