emergent call record
事件記録簿 / Jichi Med Univ(JAPAN)
亀の子VIP
現場 神社駐車場入口
時間 2023年 正月あけ
発見と解決
国道4号線の旧道。片側1車線、ふるい工場・神社仏閣が並ぶいなか道。
お正月休み明けでも、神社はまだ参拝客用にセットアップされてる。
なかでも小さな神社の駐車場入口で、なにやら車の下に潜り込んでる若者+違法改造VIP車。
近づくと、どうやら、駐車場入り口の段差のところで、車高を落とした改造車のために、
ボディフレームが接触して、「(僕らがよくいう)亀の子」になったらしい。
亀の子とは、ボディが地面にのりあげて、車輪が空転してしまう状態。自力では戻れない。
免許取り立ての若い子が、必死にタイヤを外して何か作業してる。
行き過ぎてしまったので、ぐるっとまわって戻り、近くに車をとめて声をかけた。
一人、はじめての車、はじめての初詣ドライブ、にきてのトラブルだ。
「免許とったばっかり?」
「はい。」
「車高調?エアサス?」
「車高調です」
「パンクしてない?」
「してないっす」
「牽引してあげるから、外したホイールつけなよ。そこじゃジャッキアップもあぶないよ」
「はい。」
僕はいつも「牽引ロープ」を持ち歩いていて、
僕の車は牽引フックが後ろ側はバンパーを外さないでも、すぐかけられる。
彼の車のボディフレーム部分にフックをかけて、僕の車とロープでつなぐ。
ロープでバンパーなどがこわれないように、また、力のかかる方向をよく考える。ロープは簡単にきれる。
あつまってきた見物人に、「ロープが切れると危ないんで近づかないで」という。
「合図したらゆっくりバックギヤでつないでね。アクセルふかさないでいいから」
「ひっぱられたら、暴走しないようにすぐにブレーキかけてね。僕の車に突っ込まないように」
「窓をあけて音をよく聞いててね。合図するから」
「はい。」
「ひくよーーー」
・・ガリガリガリーーー(あがる)・・・
「とまってーー!」
というわけで解決した。
「自分でここなら車高上げられるでしょ?ジャッキとかある?」
「あります。わかります」
「じゃ、がんばってね」
「あの、どうやってお礼したらいいのかわかんないっす」
「いらないから、そんなの」
牽引グッズ
牽引は実はすごく難しい。バイクでも自動車でもやったことがあるけど馴れてても危ない。
エンジンのかからない車両だと、ブレーキ圧がかからないので、とまらないので追突しそうになる。
窓をあけておっきな声で指示を出しながら、ゆーーくり移動するかんじ。
どっちの運転手も馴れてないといけない。まったくすすめられない。ほんと危ない。
安全なところまで移動して対処するなり、レッカーしてもらったほうがいいとおもう。
とはいえ、緊急脱出用にはロープはもっているべきだ。自分以外にもこうやって助けられる。困ったときはお互い様。
ブースターケーブル・ジャンプケーブル
充電式バッテリースターターや、ジャンプケーブルもいつも持ち歩いてる。
田舎、深夜、吹雪で、バッテリーあがりとかシャレにならない。困ったときはお互い様。
電動ジャッキ・電動ウィンチ
12Vバッテリーを動力にすれば、ジャッキもウィンチも強力なツール。
整備にも使えるし、事故・災害にも使えるのかも。