emergent calls, Menu
1:バイク盗難未遂
2:改造車で通報
3:自転車自爆高校生+医療行為
4:自転車自爆老婆+医療行為
5:自動車横転しても軽傷
6:河川敷火災
7:空とぶ自動車
8:カーブ立往生
9:高速での車外放出事故
10:炎天下滑落+医療行為
11:物損・逃走トラック
12:噛まれた+医療行為
13:多重衝突inUSA
14:多重衝突inJapan
15:動物キケン?
16:スノボ+代行
17:交通優先と社会優先
18:合流事故・安全確保
19:亀の子VIP
20:カーチェイスinGermany
21:自損エアバッグ全開老女
22:横転軽自動車
23:右折直進初心者

Back to top image00

emergent call record
事件記録簿 / Jichi Med Univ(JAPAN)
image00 動物咬創 (かまれる)

現場 河原
時間 2020年 14:00


僕が普段運動してるところは、ハチ・毒蛇・ダニ・蚊・アブ、など
たくさんの動物がいる。自分から手をださなくても、無意識に刺激して噛まれることもある。

今回は、僕はミツバチに太ももをかまれた。

ミツバチは本来穏やかな性格で噛むことはない。
服の袖のなかに入り込んで出口がわからなくなり刺されたのが、今回のパターン。 (よくあること)。
入りこめるような服を選ばない、定期的に手ではらって虫を追い出す、とかの
対応が必要だったが、運動後に油断していて、動作を忘れていた。

さて、どうするか?
じゃあ、スズメバチだったら?マムシだったら?犬にかまれたら??

考え中。。
考え中。。

考え中。。。。

考え中。。。。。。。


やることは同じである。


自分で観察して、自分で考える、だ。


大量の水で洗い流す。とにかく水で。
医学的に意味があるとされてるのはたぶんこれだけ。ほとんどの場合は、自然によくなるし、 何かしたところでおまじないに過ぎない。

病院に言ったら何かがかわるのか?
何もかわらない。
病院に期待して何もせず、必要なときに初期治療がおくれるなら、弊害のほうが遥かに大きい。
実際にできることはたいしてない。自然によくなるし。

家にかえるころには痛みがへり、翌日には噛まれた痕もほとんどわからないくらいに治った。

僕は今回、


エキストラクター、ポイズンリムーバーとよばれる携帯型の吸引機材。これをつかってみた。
民生品で1000円もしない.
先端部分は毒素や体液がつくのでかならず使い捨て。
僕はこれを持ち歩いていた。



とにかく傷の部分をしつこく吸引する。何度も何度も。痛いくらいに。。(画像は再現)



うまくできてると内出血の跡がつく。これを繰り返す。紫の内出血がでてくるまで何度もやる。

これをつかったのは、傷にすぐに気づき、傷から小さな出血があり、おさえると細胞外液がでてきたからだ。
特に、証明された治療でもない。ただ、洗ったあとによく観察したら、「何か出てきたから吸った」だけ。
医学の大半は根拠なんてない。勝手な信念で行われているだけだ。

・「これを買っておけばいい」
こうやってわかりやすい「対処法」を提示すると、人は飛びついてしまう。
でも、大概ウソにおわる。乳酸菌飲料をのんでインフルエンザが予防できるわけもないし、
お茶でやせるわけもない。NEJMの研究では、この吸引処置を行うことによって
「本来やるべきアレルギー反応への薬剤投与(アメリカでは簡単に手にはいる)」が
遅れてしまうと指摘されてる。日本では、一般の人がステロイドやエピネフリン製剤を
入手できないし、そもそも、薬剤が本当に必要な症例は限られてるので批判は該当しないが。


こういうものにエビデンスを求めること自体、科学的に意味がない。
中途半端に論文を引用したところで、そもそも、「どうやって患者をえらぶのか」
「どうしてその患者が登録できたのか」を考えると、観察バイアスが強すぎて 研究ができない。

心肺停止のひとにAEDを使うことですら、正当化されるかもわからない。
僕は、いつもAEDを手元にもっている、かわった人間だ。
とはいえ、臨床やってる時代で、突発的な心肺停止にAEDで改善したケースを 一例もみなかった。
みたのは最初から不整脈が起きそうだとわかってる、特殊な例だけだった。あくまでも病院の中での話。
さんざん科学論文を書いた、限られた人間だからわかるんだけど、
突発例には研究ができないので、比較研究の結果なんてほとんど意味がない。妄信することがアホだ。
医者の大半は、論文をほとんど書いたことがない。だから、意味不明な引用ばかりしている。
事故や急変の現場では、しっかりした観察と、現実的な判断を繰り返すだけだ。
一般の人でも、自分の傷を観察すれば、できることはたくさんあるし、
無駄にエビデンスに頼り、医者に頼るのはやめるべきだ。弊害ばかりだ。

・病院への過信 こんなものに治療はない

医学的に考えてみる。

スズメバチ・マムシだったら「抗血清」みたいな薬をつかうのか。
    調べてみると、マムシ咬創でも極端な全身状態悪化(稀)以外は、血清は使わないし、
    そもそも抗血清が在庫してることは少ない。スタッフも存在すらしらないことが大半。
    血清自体が多くの副作用があるため、現代医療で使うことは少ない。
    破傷風のワクチンを使うことがあるけど、前もってうっていれば不用。
    狂犬病は犬側にうつことが義務付けられているし、発症したら何をしても無駄。

抗生剤・ステロイドのような「医薬品」をつかうのか。

    もちろん、おまじないとして、動物咬創のあとに、局所や内服で抗生剤を使うことがある。
    でも、適切な傷の処置をして、傷が小さいあとに、合併感染を健常者が起こすことはとても稀。
    感染症を合併すれば、発熱・膿・腫れる、などわかりやすいサインがでる。
    そのときに、創部から細菌サンプルをとって同定したあと、治療をしたほうがいいという考えもある。
    予防的抗生剤投与は、昔はたくさんやっていたが、今は耐性菌も考えて否定的な意見が多い。
    風邪や小さい傷に抗生剤をだすのは、頭が古く・情報のupdateがなく・経験を過信した馬鹿医者だ。

病院にいってもほとんどの場合やることはおなじ。洗浄、吸引。
せいぜい、膿んで来たら、切開・排膿・汚い傷の切除。(器用な人なら自分でできる)。

・古い医療

何を普段もちあるくことにする?
持ち運び医療セットに使えるスペース・重さ・値段は限られる。消費期限が短いものもダメ。



消毒薬やカットバン(絆創膏)を思い出した人は古すぎる。
アルコール・イソジン消毒は病院でもまず行わない。
常在菌を殺し、創部に刺激をあたえて、いいことがないという意見もおおい。
水・生理食塩水で洗って終わりというパターンが、いまの医療の大半。

絆創膏については、closedかopenかは、判断がわかれるようだ。
「とりあえず傷に絆創膏」は全く意味がない。ちいさな擦過傷ならopenにしたほうがいい。



ざっくり切れた傷は、絆創膏じゃなくて、サージカルテープで傷をぴったりあわせるべき。
なければ、マスキングテープでもなんでもいい。 場合によっては、傷パワーパッドがいいこともあるけども判断が難しい。
「蓋をする」わけじゃないんで、迷ったらopenにする。毎日観察する。膿んだら洗う、の繰り返し。

むかし学校の保健室でされた治療は、いまからかんがえると間違いだらけだった。 自分の頭もupdateしよう

「まずは圧迫止血」
「傷をとにかくよくみる」「家族にもみてもらう」
「傷はとにかくあらう。異物を全部だす」
「下手にclosedにせず、毎日よくみる。膿んだら洗う」
「動物系はさし口をよく観察して、のこった牙・針などはぬく」
「やけど系は、いそいで・長い時間冷やす」
「熱くはれてたら冷やしてみる」
「ぱっくりあいた傷はテープであわせてあげる」

これだけで、まず病院なんてかかる必要もない。傷は驚くほどすぐに・きれいに治る。
ネット記事は大概、「すぐに病院に」という責任逃れで書かれている。アホだ。現実は、初期治療が何より大事。


・創部の固定・圧迫のために


外でのケガというと、関節トラブルも多いはず。
「くっつく包帯」「自己粘着包帯」はとても便利。丁寧にまけば、ギブスと同じ効果が得られる。
巻き方は、スポーツテーピングに近いが、練習が必要。
きつすぎれば、血がとまってしまうし、やわらかければ意味がない。
固定したい関節方向にひっぱり、動かしたい方向にはやらわかくとめる。
安価な製品なので、まえもってたくさん使って練習しておいたらいいとおもう。
服の上から使っても十分効果がある。 包帯は弾力があるもの・ないものの両方があって使い分ける。


ぼくは、車移動や運動時には必ずこれを持ち歩いている。
自分以外にも、いつでもつかえるし、使ったこともある。

・どんなやつがあぶないか



あぶない動物がでるエリアは、看板がでてる。普段みておけばいいとおもう。



マムシもたくさんいる。河原や茂み、雨あがりに多い。
    丸にまんなか点、の模様。
    体が細くて、頭が三角。
    夜行性で動きがはやい。

とかでマムシとわかる。シマヘビじゃない。噛まれたら重症になることもある。でも、刺激しなければ噛まれない。
ので、足元を常に注意するか、ガードした服装・靴にすればいい。短パンとか論外。

たくさん動物がいるけども、近づく時はどれも注意したほうがいい。タヌキだって噛む。




山口市HPより
ハチは種類によって行動が違う。 なわばりを巡回してるスズメバチは刺激しないほうがいいとおもう。


こういうページをつくると、いくつかの例外をだして
「例外もあるから専門家にかかるべき」みたいなことをいう人がいる。非常に日本人的な考えだ。

では、99%のよくある傷については、初期治療を放棄するのだろうか。
実際の現場でも、初期治療がおくれた例はやまほどあり、傷の治りもわるい。
例外になるようなケースを考えて時間を浪費するよりも、初期治療を急いだほうが、
全体的な予後もよくなる。

曖昧な結論にしたがる、(責任を逃れたがる)ひとは、そういう世界で生きればいい。
110番通報だけで満足。初期治療もしない。安全確保もしない。二次被害も予防しない。そういう人が多い。
僕は平和ボケとしか思わない。僕は現実によくなることを望んでいる。
AED本体+消耗品の維持にいくらかかるとおもう?普通に30万円超えます。
僕は、こういったものの論文を読み、現品を手に入れて検証したうえでいってる
「あの論文で差があるからやるべきだ」みたいな、医療経済も無視した無責任議論じゃないつもり。

サプリの類は、規制緩和のおかげで、仕込みの論文をいい加減な雑誌に通しつつ、
それを根拠として宣伝につかうというスキームがはじまってる。
おおきな会社が、やせる薬を売ってるのは、この国ぐらいだろう。
有害事象が少ないから、批判する人は少ない。
消費者側にも、判断することが求められてる世の中なんだと思う。
ラーメン食べて、トクホのお茶を飲んでる人をみたら、アホなんだと思ってくれて間違いない。

Back to top image00